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労使協定方式について(同一労働同一賃金)







同一労働同一賃金では、【派遣先均等・均衡方式】と【労使協定方式】があり、派遣元はどちらかを選択して待遇決定を派遣社員の待遇差を無くすことに努めなければいけません。


それぞれ、派遣先が派遣元に協力する内容が異なるため、特徴を把握しておくと派遣利用がスムーズになります。

今回は【労使協定方式】について解説します。


目次



1.労使協定方式とは?

派遣労働者の待遇については、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」のいずれかを派遣元が選択し、派遣労働者が派遣先正社員と平等な待遇を受けられるようにする義務があります。


労使協定では、派遣会社(もしくは派遣会社の事業所)が、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数代表と、以下の要件を満たす労使協定を締結した場合には「派遣元労使協定方式」を採用することができます。

なお、派遣労働者の処遇決定において「派遣元労使協定方式」を採用する場合でも、派遣先均等・均衡方式と同じく、派遣先からの「職務に関連する教育訓練」「福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)」の情報提供が必要となります。(派遣先義務)

労使協定方式に必要な要件は次の通りです。



2.同種の業務に従事する一般の労働者に賃金水準と同等以上とは?

「同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準と同等以上」とは、同じ職種、同じ地域、同程度の能力・経験の無期雇用かつフルタイムの労働者の賃金水準と比較して同等以上ということです。具体的には、以下の①・②いずれかを用いて決定します。


➀ 局長通達で示す統計を用いる

② 局長通達で示す統計以外を用いる


「② 局長通達で示す統計以外を用いる」とは、賃金構造統計調査等で把握できる職種と派遣労働者が実際に行う業務との間に乖離がある場合などに以下のいずれかの条件を満たせば局長通達で示す統計以外を用いることが可能となります。


●公的統計(国または地方公共団体が作成)であること

●集計項目ごとに実標本数を一定数以上確保するよう標本設計した上で無作為抽出で調査を実施する  場合


2-1.賃金構造基本統計調査を用いる場合

賃金構造基本統計調査を用いる場合の内容とは、以下の7点になります。


賃金構造基本統計調査(特別集計)結果は、毎年6~7月に局長通達により公表されます。これを  もとに派遣元にて賃金テーブルを作成し、労使協定を締結する対象となる従業員の  過半数労働者代表と協議の上翌日4月1日以降の労使協定を締結する対象します。


2020年4月1日より適用となる「賃金構造基本統計調査(特別集計)結果」は2019年7月8日付   厚生労働省 職業安定局長通達「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額  (2020年4月1日適用)」に示されています。


2018年賃金構造統計調査による職安別平均賃金(時給換算)は通勤手当分(72円)が控除されて  います。


基準値(勤続0年)は全国平均額となっていますので、派遣就業先ごとの「地域指数」を掛けて  利用します。


「退職金」は以下の3つの選択肢がありますが、ここでは選択肢2の基準値(勤続0年)に6%を  掛けて算出します。


 【選択肢1】退職手当の導入割合、最低金属年数及び支給月数の相場について、国が各種調査結果を        示しそのいずれかを選択し、それと退職手当制度を比較します。


 【選択肢2】派遣労働者の退職手当相当にかかる費用について時給換算し派遣社員の賃金に加算        します。同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準に退職費用分(6%)を上乗せ        します。

       そのうえで両者を比較します。


 【選択肢3】派遣労働者が中小企業退職金共済制度(確定給付企業年金や確定拠出年金等の掛金も        含む)に(給与の6%以上で)加入している場合は、退職手当については同種の業務に        従事する一般労働者と同等以上であるとします。


「賞与」の支給は、時給に含み前払い支給することも、6月・12月といった賞与月に支給することも  可能です。


「退職金」の支給は、時給に含み前払い支給する事も、3年在籍者が退職した時に3年分の退職  積み立てを一括で支給することも可能です。



3.「通勤手当」について

両統計ともに「通勤手当」を含まない時給水準となっています。 そのため通勤手当を「別途実費支給する場合」は、基本給(時給)から分離して比較することが可能です。

一方、通勤手当を「基本給に含む形で支給している場合」は、通勤手当の全国平均72円を各統計の基準値に追加して比較します。

通勤手当を別途実費支給の場合は以下の通りとなります。



4.まとめ

同一労働同一賃金の労使協定方式を採用することで、派遣先の情報提供の簡略化や賃金水準の決定などが出来るようになりました。


派遣先均等・均衡方式とは違い、企業間で賃金格差がなくせることから、派遣労働者のモチベーションを高めることも出来るということは、派遣先にとって大きなメリットといえます。


このように派遣先にもメリットがあることから、派遣元の多くは【労使協定方式】を採用しています。


今回解説した「労使協定方式」のもう一つの方式、【派遣先均等・均衡方式】については別記事に詳しく解説しているのでそちらもぜひご覧ください。


また、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」の2つをまとめている【同一労働同一賃金】についても別記事にて解説しています。


下記のボタンからそれぞれの記事をご覧いただくこともできます。







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